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焼八千枚護摩供行

灼熱の焼八千枚護摩供行

 

八千枚護摩供行は、釈迦(しゃか)がこの世とあの世を八千回往復され、人を救われたことによるものとも言われ、また八百の煩悩(ぼんのう)が八千に広がり、この煩悩(ぼんのう)を焼き尽くすために八千本の護摩木を焚く苦行とも言われている。その間に不動真言を十万返唱え、この行を断食して行じ、最後二十一座目は水断ちをして八千本の護摩木を焚き、人々の煩悩、苦しみを焼き尽そうとする荒行でこの行を満行した阿闍梨も数少ないと聞く荒行中の荒行である。

 

昭和六十二年八月十六日入行

私は、旧盆の一番暑い頃の七日間二十一座の護摩行に入った。一座五時間、一日三座の護摩行。

そして八月二十三日、最後の護摩修法、それは約8時間。

脱水症状と痙攣(けいれん)、真夏の暑さに耐える、まさに命灼熱(しゃくねつ)の暑さのなか、人々の般若心経が私の背中にこだまする。

このまま死ねば、私は楽になる・・・、ふとそんな思いが浮かぶ。

炎の中で生死を彷徨(さまよ)い、薄らいでいく意識の中で人々の唱える般若心経が、死にゆく私を呼び覚ました。

六千本、七千本、八千本・・・。 ついに最後の護摩木を焚き、白ゴマを投じ、約8時間後、八千枚護摩供行は終わった。

私ひとりの力では満行することは決してできなかったでしょう。人々の助けにならんことを欲していた私が逆に救われたのである。

この行を通して、「分かち合うこと」の大切さを学び、そこから途方もない感謝が私に湧き起こりはじめた。

そしてこの八千枚護摩供行の後、深い感謝が私の行の中心となっていった。

無上の感謝の深みの中で、次なる行を決意した・・・。

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